ハンドボールのゴールキーパーは怖いという意見を多く聞きます。なぜ怖いのか、慣れるにはどうしたらいいか解説します。これだけ見れば大丈夫。キーパーの恐怖を克服させて、チームを救う守護神になりましょう!キーパーにいち早く慣れる練習も紹介します。
キーパーの勇気のあるキーピングでチームの勝利につながります。
シュートをビビるなと言われませんか?よく聞くのは、サイドシュートが怖いという声です。他にも、避けるな!と言われるが避けるつもりはないのに避けてしまうなどを解決します!
ハンドボールは様々な距離や角度からシュートが飛んできます。当然、シューターとの距離が2mくらいの至近距離になることもあります。そこから飛んでくるシュートを怖いと感じるのは仕方のないことでしょう。しかし、怖がっているとシュートを決められてしまいます。
キーパーとしてボールにビビらずに止められるようになりたい。
憧れの選手のようなキーパーになりたい。
そんな願いを叶えるには、怖さを克服するしかありません。
今回は、怖さをなくす方法や考え方について書いていきます。
もう一度言います。
怖さは感情なので抑えられます!
恐怖を克服するために知っておく、怖いと感じる理由・心理
まず、大きな前提として、怖さを感じることは正常な機能が働いていることを知っていてください。
怖さをなくしたいのになぜ、なくそうとする必要はないというのか、
それは、恐怖を感じるというのは人間の動物としての本能であるからです。
自分自身が危険を感じると恐怖を感じて、体が反応します。
もし、あなたが野生のライオンなどの肉食動物と遭遇してしまい、ライオンがあなたを標的にしているにも関わらず、近づいてしまったら…….
食べられてしまいますよね。
そこで働くのが危機察知です。つまり恐怖を感じ取って身を守ろうとするのです。
怖いと感じることで起こる反応
怖いと感じることで体に起こることがあります。
恐怖を感じるとアドレナリンというホルモンが分泌され、心拍数が上がることで心臓の働きを活発化し、体を動かす筋肉に血液を集中的に送ります。
その結果、運動能力が上がり、逃げても良い、戦っても良い体制が整えられるということです。
闘争・逃走反応と呼ばれるものです。
バンジージャンプなどで飛ぶのが怖いと感じた時にも同じようなことが起こります。
ということを理解すると、思い当たるようなことを経験あると思います。
例えば、ドッチボールで怖いといって逃げ回っている子どもでなぜか避けつづけるようなことありませんでしたか??
恐怖から運動能力が高まっています。
今度は、キーパーに置き換えてみましょう。
よく怖いという意見を聞くサイドシュートで、顔の近くに飛んできたシュートを避けるつもりはないのに、瞬間的に避けてしまうようなことがありますね。
これはこのような反応が起こっていつもよりも反応速度や運動能力が上がっています。
反応して避けることが出来ているということは、シュートに対して体が動いていることであるのでシュートを止めることもできるということです。
避けてしまうのか、手や足といった体の一部を動かしてセーブするのかで結果が変わってしまうのです。
恐怖を感じるのは感情によるもの
恐怖を感じるのは今起きていることに対してではありません。
多くの場合は、これから起こるかもしれないことを考えることによって恐怖を感じています。今の状況に対しての自分の考え、気持ちに対する感情の反応です。
つまり、起こっていないことに対して恐怖、怖いという感情を抱いてしまうのです。
しかし、その感情は過去の体験や話によって引き起こされてしまうので、一度怖いものだと認識してしまうと恐怖を感じやすくなってしまうのです。
キーパーをやっていても、全部のシュートが怖いのではなく、特定の人、場面のシュートが怖いはずです。
サイドシュートであったり、ポストシュートであったり、ノーマークシュートであったり……..
もしくは、〇〇さんのシュートであったりするはずです。
これから起こるであろうことに対しては、対策することができるので、怖いと感じてしまう人は準備が大切になります。
そして、その恐怖に打ち勝つ、克服することができるようになったときには、大きな成長につながります。
もし、あなたの大きな欠点がボールを怖がってしまうということであれば、そこを克服した際には、チームを勝利に導く守護神になるかもしれません。
怖さを克服する練習方法・トレーニング
怖さ・恐怖とはどんなものなのか理解できたと思います。
ここからは、具体的にどんなことをしていけば良いのかについて書いていきます。
ここまで読んでくださった人はわかると思いますが、
恐怖を克服するためには、キーパーらしい動きを身につけるだけでは内容は足りません。
体を動かして取り組むトレーニングの他に、精神的に変わるためのトレーニング・意識改革を行わなければいけません。
そのため、成果が出てくるのがわかりにくいというものがあります。
ですので、粘り強く取り組んでいくことが大切になります。
しかし、克服して、試合で活躍することが出来た時のことをイメージしてみてください。
コートプレーヤーは6人いますが、キーパーはあなただけですので注目の的です。
シュートを止めたぶん大きな歓声と喜びが返ってくることは間違いありません。
怖いという感情を認める
怖いということに嘘をつかないようにしましょう。
怖いのにも関わらず、怖がらないようにしようと「怖がるな」と念じたりすると自分自身に対してプレッシャーをかけ続けているだけになってしまいます。
しかも、自分自身でプレッシャーをかけてしまう分、避けてしまったときにはネガティヴな気持ちになってしまいます。
思考についても後で触れますが、
そんな心理状況で避けないようになる人はあまりいません。
指導でもありますが、避けてしまったことに対して追い討ちかけるようにいってしまっても根本的に解決しません。
練習時に避けないようにするべきではないでしょうか。
キーパーをやるなら、避けずに止めたことの目的が、怒られないようすることではなく
シュートを止めて楽しむことにしたいですね。
怖さと向き合う
怖さと向き合いましょう。これはなぜ怖いのかということです。
理由がわかるとそれに対して取り組むことが出来ます。
あなたの場合はどんなものでしょうか。
- 体の近くにシュートが飛んでくるから怖い
- シュートフォームが乱れているから怖い
- 反応できなくてぶつかってくるから怖い
- 慣れていないから怖い
それぞれ違った理由があると思いますので
なぜ怖いものなのか向き合ってください。
具体的に理由がわかると取り組み方も変わってきます。
そうするとよりキーパーとして成長する効率が上がります。
止めたことの価値を大きくする
キーパーの役割はシュートを止めることです。
これは特別な役割です。止めたことはどんな形であれとても価値が高いものです。
同点・逆転のシュート決めることとそれを防ぐことは同等です。
シュートに対して恐怖心があるあなたがシュートを止めた時に感じる・考えることはどんなものでしょうか??
- 避けてしまったからだめだー
- 避けれず止められたから怒られずにすんだ
- 避けてしまったが止めたことで活躍できた!!
今は避けながらになってしまっているかもしれませんが、止めたことに対して価値を持った方が良いでしょう。そう3番のようにです。
2番の様に思ってしまったらかなり辛い状況で一生懸命頑張っているのでしょう。
それもすごいことですが、止めたことは素晴らしいことです。
1番の様に思っているならば、まずは3番を感じ取った上での更なるレベルアップを意識している段階です。
けれども、キーパーとして価値を高めるのであれば、3番の様に感じ取っている様にアピールすることが必要です。
シュートを打つ側は自信を持って構えてるキーパーの方がシュートが打ちにくいです。
徐々にでいいので止めたことに対して価値を大きくしていきましょう。
怖がらずにシュートを止められる様になるのは最終目標です!!
怖いのを克服するトレーニング方法
ここからは怖いというのを克服するためのトレーニング方法を紹介します。
ここに書いてあることをもとにやってみると良いでしょう。
シュートに対して慣れていく
怖さを感じる理由の中に慣れていないものは怖いというものがあります。
例えば、キャッチボールをしたことない子供が飛んできたボールに対して目を閉じてしまうことの様なことがあります。
しかし、やり続けていると気がついたら怖がらなくなっています。
これは慣れによるものです。
キーパーではどうでしょう
もし、あなたが顔の近くが怖いのであれば、キーパー練習のなかに顔の付近をとる練習を行った方が良いでしょう。
もし、腰横・脇横が怖いのであれば、そのあたりをとる練習をするのが良いでしょう。
とっさにその動きができるようになれば、自信がついて怖さに慣れてくるでしょう。
慣れは痛みへの慣れもありますので、あえてボールが当たるよりも痛い経験をして余裕を持っても効果的です。
しかし、怪我の危険性がない様に柔らかいボールから始めるのが効果的です。
筋力をつけて当たることに強くなる
ボールに限らず、体に当たって痛いものは怖いと認識されることが多いです。
少しぶっ飛んだ例えですが、拳銃を向けられていたとします。その時、誰しもが恐怖を感じます。これは銃弾が当たって痛いどころでは済まないことになるからですね。
けれども、映画のスーパーマンはどうでしょう。拳銃を向けられても一切怖がるそぶりを見せません。
これは、フィクションのなかですが、あなたが銃弾じゃ怪我すらしない体だったとしたら同じ様に怖くないと思います。
ですので、筋トレをして体に筋肉という防具を身につけて当たることに強くなろうということです。
筋トレで動くこともさらにできる様になるので一石二鳥ですね。
シュートを避けることをする。
あえて避けられる様にトレーニングしましょう。
練習中では怒られてしまうかもしれませんので、自主練の時の方が良いかもしれない内容です。
避けられると思ったら怖くなくなるというものがあります。
ドッチボールで避けるのが上手な人を思い浮かべてください。
自信満々な様子で避けていませんでしたか。
他にも、横断歩道のない道路を車が走っている中、颯爽と横断している人はどうでしょう。ぶつかる前に避けられる・ぶつかってこないという自信があるからですね。
精神的に強くなる
精神的に強くなるのも重要です。
怖いというのは感情です。それは自分の過去の経験による感情です。
それに打ち勝つためには、精神的に強くすることがとても効果的です。
自分自身にプレッシャーをかけて強くなるのでも良いですが、止めたことを誇りに思って成功体験をしっかりと積んでいきましょう。
負けることとの比較で怖さを克服する
怖がるとシュートが入ってしまうので、当然試合では不利です。
キーパーはシュートを止めて活躍するポジションですので、なんとしても止めることを徹底しなければなりません。
怖くて避けたら負けるリスクとシュートが迫ってくる怖さのリスクを比較してみてください。
どちらが嫌ですか?
それによって怖さを克服するということもあります。
ここには基礎的なものと思い書くのやめたんですが、
得られるものとリスクを比較するというのもあります!!
点を決められて悔しい思いをするよりも痛くても止めてチームに貢献することの比較で怖さがなくなるというものもあります!— やっち@🐅163㎝のハンドボールオタク (@yatch22m) 2020年1月21日
実際の例
ある日こんなことがありました。
「練習の時にやたら顔面の近くやお腹周りにシュートを打たれるのが怖くてうまく止められません。」こんな悩みを聞いたことがあります。
その時に、「君が顔やお腹の周りが止めるのが苦手で狙われているのか、関係なしにその辺りを狙ってきているのかどちらだと思う?」
その子はわざと狙ってきていると気がつきました。
「じゃあ狙ってきている可能性が高いから、わざと空けておいてシュートを止めにいってみます」
とシュートを受けるのではなく、キーパーが行動して積極的に取りにいく様にすることがいいのではと仮説が立ちました。
そして、止めることが出来たため、自信がつき怖がることが少なくなりました。
あとは行動する
ここまで読んでくれた人は行動しましょう。
いろいろ思うのはあると思います。
そして、考えたと思います。
あとは実際に行動することです。
変えたいなら行動するしかありません。
一回、シュートにぶつかりにいくくらいする必要があるかもしれません。
結果を変えるのは行動しかありません。
もし、行動する自信がない時は参考にしてみてください!!
小さいことでも挑戦し、努力することで自信がつくようになります。
最後になりますが練習のときに意識してほしいことは、避けずに止めたという経験で終わることです。時にはうまくいかなかったなと思う時はあってもよいですが、避けずに止めたという経験がキーパーから恐怖を取り除いてくれます。
怖いという感情は、一種のトラウマによるものに近いです。
じっくりやっていきましょう!!!
やればできます!

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